初心者データサイエンティストの備忘録

調べたことは全部ここに書いて自分の辞書を作る

【読書記録】論語と算盤

本書を手に取った理由

自分を鼓舞するためです。
仕事やりたくねー!!と思うことありませんか?私は常です。
また、かねてより大きな業績を残した人はどのような心掛けで仕事に打ち込んでいたのかに興味がありました。

その一方で、私は自己啓発本を軽んじてきたので、カリスマ経営者が書いた本を一切読んできませんでした。 しかし、今の会社に転職し、上司たちから「成長しろ成長しろ」と言われ続け、成長を支えるものは何かと考えたときに、思いついた言葉が「情熱・熱意」です。
なので、ちょっと自分も「情熱・熱意」持って生きていきたいよねということで、熱き心を持った人の本を読むことにしました。
その第一弾が「論語と算盤」です。

著者は渋沢栄一。私は埼玉出身なので郷土カルタで渋沢栄一は履修済みです。

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本書を読んで感じたこと

一言でいえば、渋沢栄一は大志を持って仕事をしていました。 その大志とは「日本の経済を発展させ、日本を富ませる」ことです。 この大志の根底に流れる考え方を、渋沢は「論語」を始めとした中国古典から得たと書いています。
渋沢本人が本書で繰り返し言っていますが、渋沢が子どもの頃は学問といえば心を磨くための学問だったそうです。 なので、当時の人たちは論語と親和性が高かったのでしょう。

大志の立て方

大志の立て方について、渋沢は以下のように語ります。

自分の長所とするところ、短所とするところを細かく比較考察し、そのもっとも得意とするところに向かって志を定めるのがよい。またそれと同時に、自分がその志をやり遂げられる境遇にいるのかを深く考慮することも必要だ。

つまり、自分の内面を知ることと、自分の置かれた外部環境の両方を知ることが大志を立てる際には必要と渋沢は言っています。 渋沢栄一の考え方として、世の中は平等ではないという考え方があります。その不平等である現実を直視し、それを踏まえた大志を抱くべきということだと私は理解しました。
また、大志は良い習慣を通じて達成されると渋沢は述べています。自分・外部環境要因で良い習慣を身に着けることができないのであれば、大志を実現することもできないでしょう。

今後の取り組み

私も大志といえるものを心に抱きたいと思いました。 私は目先のことに汲々としがちで、大きな目的・視野で仕事を捉えられないと感じることが多々あります。 だから、目の前に存在する誘惑にも負けるし、人生の岐路において主体性のない選択をしそうです。

自分の中で「大志」と呼べるものを4月いっぱい考えてみようと思います。その上で論語そのものを読んでみたり、他の経営者の哲学が書かれた本を読みながら自分が人生でなすべきこと、目の前の仕事を通じて実現すべきことをブラッシュアップしていこうと思います。

おまけ

論語と算盤」をパラパラめくっていくと、心掛けていきたいなと感じる考え方がたくさん見つかります。例えば、「修養」について以下のような記載があります。

「修養」自分を磨くことは、(中略)。このときに気をつけなければならないのは、頭でっかちになってしまうことだ。自分を磨くことは理屈ではなく、実際に行うべきこと。だから、どこまでも現実と密接な関係を保って進まなくてはならない。

つまり、頭だけで道徳を考えたり、人のあるべき姿を考えることは必要であって十分ではないということだと思います。というのも、道徳とは基本的には自分以外の人のためのものだと思うからです。
道徳の理論はいくらでも語れるが、実践をせず、周りの人を不幸に突き落としていくのであれば道徳の意味はありません。仕事や家事、子育てなどの日常の生活を通じて自分の手で道徳の感覚を掴んでいくことが、道徳本来の機能を実現させるために必要だと思います。