目次
はじめに
みなさん、文章を書くことは得意でしょうか?私は苦手です。数式やコードが混じった文章を書くことは、特に苦手です。しかし、データサイエンティストという仕事柄、私は数式やコードが混じった文章を書く機会が多くあります。
そんな苦手感を持っているときに、上司から紹介された本が『数学文章作法』です。本書は、読みやすい文章を書く方法をわかりやすく解説した本です。なお、本書は文章を書く上での基礎をまとめた『基礎編』と、推敲をメイントピックにした『推敲編』の2冊に分かれています。
感想
本書の特長は、読みやすい文章を書くためのノウハウが豊富に紹介されていることです。本書では、正確で読みやすい文章を書くための原則として「読者のことを考える」ことをあげています。本書で紹介される数々のノウハウは、全てこの原則から導かれたものです。
例えば『基礎編』の第1章では、読者の知識・意欲・目的を意識して文章を書くべきと教わります。まさに「読者のことを考える」を地でいくような教えだと思います。
他にも、「数式のエックスはと書き、xとは書きません」といった形式の話(『基礎編』第2章)や「自分が推敲に使えるのがまとまった時間と細切れの時間のどちらであるかを把握しましょう」といった時間の管理術(『推敲編』第7章)など、本書で扱われる話題は非常に幅広いです。『基礎編』と『推敲編』の2冊で、読みやすい文章を書く際に必要な知識を網羅的に身に着けることができます。
また、本書のもう一つの特長としてノウハウを具体例を通じて学べるということが挙げられます。先ほど例に挙げた第1章での教えは、ただ単に「読者の知識・意欲・目的を意識しましょう」と紋切型の説明があるだけでなく、実際の文章を例にして解説がなされます。
読みやすい文章を書くための豊富なノウハウを、具体例を通じて学べることが本書の特長といえます。
本書を通じて私はどんな実践をするか
私は本書で学んだことを、以下のように仕事に役立てようと思います。
- 文章を書く前に、書きたいことを構造化してから書く
- 文章を書いている最中は、読者が思うことを想定して文章を書く
- 文章を書いた後は、『推敲編』の第9章に書かれている推敲のチェックリストを用いて推敲を行う
各項目について、以下で詳細を補足します。
文章を書く前に、書きたいことを構造化してから書く
文章を書く前に各文章の要点をまとめ、要点同士の関係性を整理してから文章を書こうと思います。それにより、読者が理解しやすい順序で文章を組み立てられると考えています。このことは、『基礎編』の第3章から学びました。
文章を書いている最中は、読者が思うことを想定して文章を書く
文章を書いている最中は、読者の思いを想像しながら書き進めていこうと思います。例えば、「抽象的な話が続いてきたから、読者は飽きるだろう」と想像し、例を入れるなどの工夫をすることがこれにあたります。このことは、『基礎編』の第1章から学びました。
文章を書いた後は、『推敲編』の第9章に書かれている推敲のチェックリストを用いて推敲を行う
文章を書いた後は、漫然と推敲をすることは避けるべきです。そのため、推敲の指針として『推敲編』の第9章に書かれているチェックリストを用いようと思います。
まとめ
本記事では、数式やコードが混じった文章を分かりやすく書くためのノウハウが解説された『数学文章作法』を紹介しました。本書を通じて文章を書くことが苦手な人が一人でも減ると良いなと思っています。