初心者データサイエンティストの備忘録

調べたことは全部ここに書いて自分の辞書を作る

『夢をかなえるゾウ0』感想

目次

はじめに

 先日、塾講師をしていたときの教え子から「人生お先真っ暗だ」という悩みを聞きました。なぜそのような悩みを持っているのか聞いてみると、「自分には得意なこともないし、やりたいこともない」とのことでした。このような悩みは、現役で塾講師をしていたときにも生徒から聞いたことがあります。そして、私も似たような悩みを持っています。

 このような悩みを人から聞き、私も「夢がないな」と悩んでいるときに『夢をかなえるゾウ0』と出会いました。本書は、夢のない主人公「僕」がガネーシャという神様から出された課題に取り組むことで、夢を見つけるというストーリーになっています。

 本記事は、『夢をかなえるゾウ0』の対象読者と感想、今後私がどんなことに取り組んでいくのかについて書いてみようと思います。

対象読者

 本書のメインテーマは夢の見つけ方やりたいことの見つけ方です。そのため、以下のような人に本書をおすすめします。

  • 夢や志がなく、そのことに苦痛を感じている人
  • 自分の進むべき方向性が見えない人
  • 進路に悩んでいる中高生

 私自身、確固たる夢を持っていないため、自分の進むべき道がわからなくなることがあります。そのため、周囲の評価に一喜一憂したり、一時の感情に流されたりしています。このような状態は、(少なくとも私にとって)精神的に辛いです*1。夢をもつことで、人生を歩む手掛かりを得られたら良いなと思い、本書を読みました。

感想

 本書では夢を見つけるために、20個の課題に取り組んでいくことが求められます。その中で、「自分と同じ痛みを持つ人を助ける」という課題が最も私に刺さりました。なぜ、「自分と同じ痛みを持つ人を助ける」ことが重要なのでしょうか?その理由を二つあげたいと思います。

 一つ目の理由は、強くて広い夢を持つためです。表1は夢を4種類に分けた表です。自分自身の痛みを救いたいときに、人は強い力を発揮します。また、他者を救いたいと思うときに、できることが広がります。本書では、表の左上の象限に当てはまるような夢が「最高」としています。

表1:4種類の夢

 二つ目の理由は、過去のネガティブな経験にポジティブな意味を与えるためです。過去のネガティブな経験をもとに他人の役に立つ行動をすることで、ネガティブだった経験にポジティブな意味合いを与えられます。本書では、愛する娘を伝染病で失ったことをきっかけに、世界初のワクチンを開発したパスツールなどが例として挙げられています。

 「自分と同じ痛みを持つ人を助ける」ことの重要性や他の課題については、ぜひ本書を読んでみてください。きっと学びがあるはずです。

今後どんなことに取り組んでいくのか

 私の場合、「自分の痛み」は割と明白です。その痛みとは、家庭内暴力です。私が大学生になるころには、親からの身体的な暴力はやみましたが、いまだに心の傷は癒えていません。しかし、だからこそ「自分と同じ痛みを持つ人を助けたい」と思い、学生時代は生活保護世帯の子どもに勉強を教えるボランティアや、多様な子どもが集まる塾でアルバイトをしていました。一方で、大学院を卒業後は、「自分の痛みを持つ人を助ける」という行動をほとんどしていません。周囲の評価を気にして、一般的な企業に就職してしまったからです。そのうちに子どもも生まれ、時間とお金に余裕がない状態になってしまいました。

 今後は「自分と同じ痛みを持つ人を助ける」行動を再開しようと思います。今の自分に何ができるかは現時点ではわかりません。しかし、探せばきっと何かあるはずです。そこに今は希望を持っています。

参考文献

 

*1:夢を持っていないということは、自分は何者だと語ることができないという意味で、アイデンティティを喪失している状態だと私は考えています。