初心者データサイエンティストの備忘録

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【読書記録】新 企業の研究者をめざす皆さんへ

目次

はじめに

 私事ですが、今年(2023年)の4月にコンサル部門から研究部門に異動になりました。その結果、論文を読んだり、自分でコードを書いたりといった仕事が増えました。私としては、そういった仕事にも取り組んでみたかったので、非常に満足しています。

 その一方で、研究者としてどのようにキャリアを積んでいくべきなのかということを、今時点で考えておくべきだと感じました。そこで、その参考になりそうな本として、本書を読んでみました。

感想

 本書は、企業で研究活動に取り組んでいる人が興味を持つであろう事柄を、7章でまとめています。
 例えば、私は駆け出しの研究者なので、研究者としての心構えについて書かれた第1章「Research That Matters」に特に興味を持ちました。一方で、部下を抱えているマネジメント層の方々は第5章「リーダーシップについて」などに興味を持つのではないかと思います。
 どのような研究者でもそれぞれ自分が興味を持つ章を見つけられることが、本書の特長なのではないかと思います。

 私の場合、研究者としての心構えについて書かれた第1章「Research That Matters」と、研究の進め方について書かれた第2章「研究の営み」を重点的に読みました。

 ここで、本書で何度も繰り返し出てくる言葉「Research That Matters」の意味を明らかにしておこうと思います。本書では「Research That Matters」を次のように説明しています。

企業で行う研究は、その成果が世の中に目に見えるインパクトを与えるべきである。インパクトのある研究、それを私は"Research That Matters"と呼んでいる。「マター」というのは、それによって人が動く、世の中が変わる、という意味である。

 本書では、「Research That Matters」は企業研究者が常に意識すべきことであると述べられています。また、逆に言えば企業ではインパクトのない研究をすべきではないということでもあります。

 それでは、「Research That Matters」を実現するためには、具体的にどのような取り組みをすれば良いのでしょうか?それに対する著者の考えは第2章「研究の営み」に書かれています。著者の考えを図1にまとめました。各取り組みの詳細は本書を読んでいただければと思います。

図1:Research That Mattersを実現するための取り組み例

 私の場合、研究対象において「良い問題を選ぶ」ということがまだできていません。そこで、まず「複数の専門性を持つ」ということを目指そうと思います。

本書を通じて私はどんな実践をするか

 前節で「複数の専門性を持つ」に取り組んでいくと述べました。そのために何をするべきなのかを、先日上司との1on1で相談してみました。上司の答えは、「狭い範囲でも良いから、まずは一つ専門性を持つこと」とのことです。一つの分野を極めれば、勉強の仕方が分かり二つ目、三つ目の専門性を持つことが容易になるとのことでした。

 確かに、現在の自分はこれが自分の専門だ!といえるような分野がありません。また、どうやったら専門性を高められるかといった知見もありません。まずは、一つの分野の勉強を通じて、専門性を高める方法を体得するということが大事なように思います。

 そこで、「研究対象の分野の複数の論文をサーベイし、まとめる」ことを会社での今期の個人目標に設定しました。一つの分野の専門性を持つことの第一歩は、その分野でどのような問題設定がなされており、どのように問題解決がなされているかを知っていることだと今の私は考えています。その第一歩を会社の目標として設定できたことをうれしく思います。

まとめ

 本書では、「Research That Matters」という考え方を中心にして、論が進んでいきました。
 私の場合は、上記を実現するために複数の専門性を持つということを最優先にして取り組んでいきたいと思います。そのために、まずは一つの分野の専門性を高めるための勉強をしていこうと思います。

参考文献

おまけ

 本書は多くの本や論文を引用しています。その中で気になった本がありました。『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』です。本書は人生における時間の使い方や集中力をどのように投資するかについて、経営学の考え方を用いて説明した本だそうです。時間の使い方に悩んでいる自分にとっては興味のある話題です。次は、この本を読んでみようと思っています。