本書を手に取った理由
基本的には「論語と算盤」のときと同じです。 aisinkakura-datascientist.hatenablog.com
ですが、今回はより身近(?)な人の本を選んでみました。私は子どものころ成長ホルモンが不足しており、その治療のために毎日注射をしていました。 そのとき使っていた「痛くない注射針」を開発した方が、本書の著者である岡野雅行さんです。
一から十までできるようになれ
本書で岡野さんは、「職人は一から十までできるようになれ」と主張しています。その理由は、一つのことしかできない職人はリストラされると食べていけなくなるからです。
この点は、データサイエンティストと同じです。巷でデータサイエンティストに必要な能力は「コンサル力」「サイエンス力」「エンジニアリング力」と言われています。これらのどれかが欠けるとデータサイエンティストとしてのアイデンティティが失われるでしょう。
なお、データサイエンティストが取り組む業務の中で、各スキルがどの場面で必要か自分なりにまとめてみたのが図1です。(各スキルの定義をちゃんと提示していないので違和感ある方もいらっしゃると思いますが...) 各スキルの替えはきくけれど、全てのスキルを持っているという意味では替えがきかないのがデータサイエンティストだと理解をしています。
プラントとして売る
著者の岡野さんは、金型とプレス機、ノウハウをセットにし、プラントにして大企業に卸すという商売の仕方をしています。
先述した「一から十までできるようになれ」という言葉には、職人という個人単位での意味合いもありますが、企業としても「一から十までできる」ことでこのような売り方ができるのだと理解しました。
自分の学び方
「一から十までできるようになる」には、体力(企業でいえば資本力)が必要です。また、企業が大きくなればなるほど、各領域に必要なスキルが深化し、「一から十までできるようになる」の実現が不可能になります。 そのため、個人や企業によっては特定の専門分野に特化した成長の仕方をすることが、賢い方法なのだと思います。
その上で私としては、やはり「一から十までできるようになる」を目指したいと思っています。それは、「一から十までできるようになる」状態を目指して努力する過程で、特に力を入れていきたい分野を見つけることができるのではと考えているからです。
自分の取り組みとしては、「一から十までできるようになる」を目指す。これを胸に刻んで邁進していこうと思います。